大学時代の友人の部屋は、
夜11時ぐらいになると、誰もいないはずの押入れ・風呂場やトイレから気配と水音がしたり、言い争う声らしきものが聞こえたりと、結構頻繁に怪奇現象の起こる部屋だった。
そいつは、
「男女あわせて二人の幽霊が一緒に住んでるぞ。まぁそのぶん家賃安いから、三人でシェアしてるみたいなもんだなw」

なんて言い放つほど豪胆な奴だったが、そんな男もだんだん酷くなる状況に嫌気がさしてきたらしく、なんとかしようということに。

コンパで知り合った自称霊感少女に、その部屋の様子を見てもらおうとお願いして、件の部屋に泊り込みで酒盛りをした時のこと。

ほどなくしてトイレの水を流す音がした後、以前に泊まった時よりも激しいラップ音と、ボソボソと喧嘩をするような声が始まった。

あまりの激しさに皆引きまくって、どうしようかと相談してたら、それまで押し黙っていた霊感少女が、いきなりケタケタと笑い出した。

みんながこれはヤバイと感じて、笑い続けるその子を放置して、一目散で玄関から我先にと外に飛び出した。

アパートの目の前の駐車場で、「やべぇよ」とか言い合ってたんだけど、10分ほどたって、その子から携帯にtelが。

『もう大丈夫だから部屋に戻っておいでw』

ビクビクしながら戻ってみると、女の子は普通にテレビ見ながらビールを飲んでた。

ホッとしつつも何が起こったのかその子に聞いたら、
「確かに男と女の二人の霊がこの部屋にはいた。どうやら付き合っているらしい。でもあんまり仲が良くなくて、最近は喧嘩ばっかりしている」
とのこと。

さっき笑ったのは、女の霊が男の霊に、
「トイレでうんちした後なんで流さないの!?」
と、本気で怒ってることが可笑しかったらしい。

結局、その子が喧嘩の仲裁?に入った後、女の霊に「あんな男とは別れてどっかいけ」と言ったら女が消えて、それを追うように男も消えたとか。

以後、その部屋で怪奇現象がおこることはなくなったけど、
「女を見捨てて逃げ出した最低な男たち」として、しばらくその霊感少女には虐められました。