「あれ、部屋の明かりがついてる。ちゃんと消したはずなのに」

夜11時半を少し回った頃、ホテルの正面まで帰ってくると、私たちが乗務員室として使っている5階フロアの端部屋の電気がついています。
「ほんとに消してきた?」

「うん、消したのをSちゃんと2人で確認したから。ね」

「うん、確かに消したよ」

すると、明かりのついた部屋の窓に人影が動くのが見えます。

「ど、泥棒?」

「どうしよう」

普通ならホテル側に知らせるのですが、アルコールも入っていた勢いで、とんでもない行動にでました。

自分たちで捕まえて警察からの感謝状をもらおう!

女性たちは危険だからホテルの外から窓を見張り、男性陣が部屋に入ることに。

しばらくすると、端から二番目の部屋に明かりがつきました。

窓の下で待機するグループの携帯が鳴ります。

「誰もいないよ!電気も消えてたし!」

「窓を開けて顔出してみて」

すぐに、端から二番目の部屋の窓が開き、携帯電話を持ったドライバーが顔を出しました。

じゃあ、いま明かりがついている端部屋は、どういうこと!?

その瞬間、明かりの点いていた端部屋の明かりがフッと消え、人影も見えなくなりました。

「今いる私の部屋、本当に端部屋?」

「端部屋だ、隣は壁だったよ」

「その壁の向こうにもう一室あるわ…」