ある夜、終電の駅からの帰り道、中本さんが墓地の近くにさしかかると、3才くらいから小学生低学年くらいまでの子どもが3人並んで立っていたそうです。
中本さんの自宅は駅から歩いて15分程かかります。

駅からの帰り道には小さな池があり、そばには墓地があります。

車一台が通れる程しかない道は昼間でも人通りが少なく、夜は少し不気味な雰囲気になるといいます。

「どいてくれるかな?」

子ども達は、狭い道幅に横一列に並んで、中本さんをとおせんぼしています。

「今日、何月何日か知ってる?」

その中の一人の子どもが、きょうの日付を聞いてきました。

中本さんは意図のわからない質問と通してくれない子ども達にいらだち、子ども達を無視して間を通り抜けました。

早足で歩きながら、(今日?何日?)と中本さんはふと思いました。

(8月15日だ。お盆かぁ)

そのことに気づいて振り返ってみると、そこに子ども達の姿はなかったのです。