「銀行員が大金を持ったまま行方をくらました。」

銀行の集金係りだった男性が、ある日の集金中に行方不明となった。
残された家族は世間から白い目で見られ、耐えかねた母子は心中してしまった。

しかし、数日して事件の真相が判明した。

実は、男性は集金中に強盗にあい、殺害されていたそうだ。

一家が住んでいたのは、古びた団地である広瀬団地。

この団地は事件、事故が頻繁に起こることでも有名だったという。

広瀬団地の家族が暮らしたその部屋はしばらく無人となった。

しかし、事件のほとぼりが冷めた頃、新しい入居者を迎え入れた。

しかし3日も経たずに退去してしまった。

その後も新しい入居者が部屋に入ったが、数日ともたなかった。

最終的に肝の据わったその筋の人が入居したが、彼らも瞬く間に部屋から逃げるように去ってしまった。

こうした事態に耐えかねた団地管理者はようやくその部屋を廃棄することにした。

室内の家具などを処分するため解体業者を呼んだのだが、 その業者すら家具を運び出す途中で逃げてしまったそうだ。

しばらく家具を積んだトラックさえ放置してある始末。

いったい、その銀行員家族の住んでいた部屋で何があったのか。

その団地は、今はもう取り壊されて月極め駐車場となっている。