四条畷から168号線に入ってしばらく行ったところに、その「新岩船トンネル」は存在する。
新岩船トンネルの隣には、川専用のトンネルが設けられている。

ここでは道がトンネルに入るのと同じように、川もトンネルに入るのだ。

自然の造形的に、とてもふしぎな光景である。

全国にトンネルの怪談は数多くあるが、その中でもこのトンネルはよく出ることで有名らしい。

この近辺の住民の中で、特に話に出るのが「市松人形を抱いた老人の霊」。

トンネル内に出没し、ものすごいスピードで追いかけてくるらしい。

さらに、トンネルを出ると首無しライダーが出現するという。

奇妙なことに、市松人形を抱いた老人の霊はトンネル内にしか出現しない。

そして首無しライダーはトンネルの外にしか出現しない。

それには何か理由があるのだろうか。

また、今は更地になっているが、このトンネルの脇には廃屋があり、昔はきのこ狩りなどをして営業していたらしい。

しかし、無断で営業していたのがばれて営業停止になったという話だ。

金券ショップに強盗に入った二人組が逃走中、パトカーの絵が描かれている看板に驚いてスリップし、事故死した場所もこのトンネルである。

このトンネルは、現在では綺麗に整備されている。

しかし古来から「死に地」という場所が存在し、どんなに綺麗に整備しても必ず不幸が訪れ、朽ちる場所があるという。

呪われた土地、死に地。

ここはそんな場所のひとつなのかもしれない。