497 :本当にあった怖い名無し:2006/06/22(木) 11:17:04 ID:BeDpXAH30


最近引っ越したアパートの隣人の事。

ここは学生や単身者がほとんどなので、引越しあいさつなどは特に無い。 

(あいさつに行っても、生活時間がまちまちで会えない事が多いから) 


自分が入居してしばらくすると、深夜隣から声がする事に気が付いた。 


隣に住んでるんだから声がしてもおかしくないんだけど、ちょっと気になった。 

H系かと期待していたがそうでもなく、『なんなんだ』『どうしてだ』『やめてくれ』など。 

毎日、毎日、繰り返される。


ある日、朝の出かけに隣人と出くわした。 

あいさつも兼ねて声を掛けてみた。 

気弱そうだか人の良い感じ、聞くと近くの大学に通っているらしい。 

一緒の駅を利用しているとの事だったので、その朝は雑談しながら行く事にした。 

すると、ちょっと言いにくそうに彼は聞いてきた。 

「引っ越してから部屋はどうですか?」

「二階の角部屋で日当たりも環境もまぁまぁ、割と気に入ってる」っと話すと、

「いや・・・まぁ・・・そうなんですけど・・・」っと、なんだかハッキリしない口調。 

気にはなったが駅に着き、ホームが違うのでそこで別れた。 


その晩も、その後もやはり深夜の声は続いた。 



498 :497:2006/06/22(木) 11:17:52 ID:BeDpXAH30

それからしばらくして、また朝一緒になったので、さり気なくその事を聞いてみる事にした。 

「やぁ、この前はどうも。話途中で別れた感じで気になってたんだ」

しかし、彼はハッキリしない。 

「最近調子はどう?そうそう、君は1人暮らし?それとも誰かルームメイトでも?」

彼の顔がこわばり、「どうしてそう思うのですか?」っと聞いてきた。 

「いや、夜中にさ話し声がね。だから」

すると突然立止まり、彼は話始めた。 

ようは幽霊がでるらしい。 

夜中になると、寝ていようが起きていようが、何者かが自分の部屋に現れると。 

「えぇー、ホントに?」っと、オドロキながらもちょっと信じられなかった。 

彼は私の反応にちょっとガッカリの様子で、そのまま別れた。 


そしてその夜、事態は急変した。 



499 :497:2006/06/22(木) 11:19:04 ID:BeDpXAH30

相変わらずの夜中の声にしばらく耳を傾けていると、

「やめろー、やめてくれー、助けて、ぎゃぁぁぁぁぁ」

思わず布団から飛び起きた。

いつもと違う。様子が違う。

そう思って、彼の部屋に行こうと玄関まで急いだが、今朝の話を思い出して急に恐くなった。 

そしてそのまま自分の布団に飛び込んで丸くなり、朝になるまで震えていた。 

その後一切の物音はしなかった。



500 :497:2006/06/22(木) 11:20:07 ID:BeDpXAH30

朝出かける時、彼の部屋の前を通ったが、声を掛ける勇気がなかった。 

でも何かあったら?いや何かあったのは確実だ。でも最悪の状況だったら。死んでるとか・・・ 

いろいろな思いが頭の中をグルグル回り、不安と恐怖で一杯でただただ駅までの道を進んでいた。 


気が付くと、そこは駅前のアパートを紹介してくれた不動産屋の前だった。 

私はとっさに飛び込み、昨晩の事を店主に話した。 

店主は驚いていた。私が入ってくるなりまくし立てるように話したせいか、それとも理解できない内容だったからか。

「とにかく落ち着きなさい。ほら、お茶でも飲んで」っと、冷たい麦茶を出してくれた。 

「えっと住所はどこだっけ?名前は?今台帳で確認するから、ちょっと待ってて」

じりじりした。彼が死んでるかもしれない。生きているなら救急車を呼ばなければ。早く彼の部屋へ行かなければ。

なにやら書類を確認していると、急に店主は落ちつかなくなった。 

そして私にも一緒にと言うと、急いでアパートまで向かった。 



501 :497:2006/06/22(木) 11:21:44 ID:BeDpXAH30

部屋の前に来ると、店主も一瞬ためらいながらドアをノックした。 

返事は無い。

「おい、居るのか?居るなら出て来い!」

反応は無い・・・ 

私は彼が息絶えて倒れている姿を想像して寒気がした。 

店主は鍵を開け、そしてゆっくりとドアを開いた。 

「なぁーんだ、なんともないじゃないか!」

その声に、私は一気に安堵した。 

よかった生きてたんだ!何ともなかったんだ!そう思うと、早く彼の顔が見たかった。 

「驚かすなよ!心配したぞ」

そう言って部屋に飛び込むと、部屋はもぬけのカラだった・・・ 


店主は、まだ借りての付いてない部屋から深夜に声がすると聞いて、何者かが忍び込んでいると思ったらしい。 

ワンルームの為、玄関から様子はすべて分かるのだか、一応部屋の中を確認し、店主は安心していた。 

「気のせいですよ。他の部屋か外の声でしょう」っと言って、さっさと帰っていった。 


じゃぁ、あの声はなんだったんだ!?それより彼は誰なんだ!? 

彼が幽霊に会ってたんじゃなくて、私が幽霊に会ったのか? 

もう訳が分からなかった。

その時、他の部屋のドアが開いた。 

「おはよーございます」

住人らしい男に声を掛けられた。しかし、私は走って逃げた。 

彼もまた幽霊かもしれないと思うと、恐怖でおかしくなりそうだったからだ。 


私はすぐにそのアパートを引っ越した。