791 :本当にあった怖い名無し:2005/10/14(金) 00:31:45 ID:1d6H4UeT0


これはキングオブコメディっていうお笑い芸人の、高橋健一っていう顔の腐ってないほうが、

体験した話を楽屋で伊集院が聞いて、それをラジオで話したもの。 


小学校3年生の高橋少年は団地に住んでて、その団地からだいたいの子供が同じ学校に通っている。

ある日、高橋少年がいつもどおり学校を終えて、友達何人かで団地に向って歩いてると、

1人の友達が、上のほうにむかって指をさす。 

「あれ、あんな子いたっけ」 

高橋少年も指差す方向を見ると、マンションの階段踊り場に同い年くらいの男の子2人がいて、

こっちを見ながら笑っている 

「なんだ、あれ」 

高橋少年は不思議に思う。

まず、この地区にいる子はだいたい知ってる子だし、年も近そうなのに知らないわけない。

それに、笑っている。

こっちの集団や友達何人かをではなくて、

あきらかに高橋少年にむかって、マンションの階段踊り場5階あたりから顔をだして、笑っているのである。 

「なに、笑ってんだよ」

高橋少年も少しむかついてくる。

「あんなやつみたことあるか?」 

友達がみんなに聞く。

「それにあいつら、高橋見て笑ってるぜ」 

もう1人の友達も言う。

「引越しとかしてきたんじゃないのかな。もう帰ろう」 

高橋少年はそう言って、早歩きにもなりながら自分のマンションへ帰った。


次の日。

「またいる」 

同じ場所から、昨日と同じく高橋少年に向って笑っている。

「今日学校にあいつらいたか?」 

「いや、みないな」 

「学校いってないのか」 

みんなで話し込む。ちらっと踊り場のほうを見る。やっぱり自分のほうを見て笑っている。

「いいよ、相手にしないで」

高橋少年はそう言って、また自分のマンションへ帰った。



792 :本当にあった怖い名無し:2005/10/14(金) 00:36:29 ID:1d6H4UeT0

一週間後。

「うーん」

「あ、鈴木くんあいつら」 

「ああ」

「今日もいるな」 

「やっぱ高橋を馬鹿にしてる」 

今日はクラス1強くて勇気のある鈴木くんも、一緒にこっちの帰り道に来てもらった。

鈴木君は団地とは反対方向に住んでるので、いつもは一緒に帰らない。

「ふーん」

鈴木君は踊り場の笑ってる2人を見る 

「んじゃ、ちょっくらいってくる」 


鈴木君は走って階段を上り、5階の踊り場に着く。 

「なんの話ししてんのかなー」 

「喧嘩にならなければいいけど」 

鈴木君と踊り場の2人は、なにかを話している。

と、いきなり鈴木君が笑い出した。

「ん、どうしたんだろう」

「仲良くなったのかな」 

ハハハハと鈴木君は、高橋少年にむかって笑い出す。

「・・・なんだよ」

高橋少年は嫌な気分になる 

「ちょっと俺もいってくる」

別の友達が階段をあがる 


そして、少し話す。

で、やっぱり高橋少年に向って笑い出す。

「んじゃ、俺も」

「俺もー」


次々に上がっていく。

そして、みんなで自分にむかって笑う。

高橋少年は怖くなってきた。

「いったいなんなんだ。俺がなにしたんだ」 



793 :本当にあった怖い名無し:2005/10/14(金) 00:37:18 ID:1d6H4UeT0

とうとう階段の下にいるのは、自分ひとりになってしまう。

高橋少年が呆然としていると、笑い声が止まっていて、踊り場にはだれも居なくなっていた。

みんなを探すと、団地にある公園でドッチボールをしている。

笑っていた2人も混ぜて仲良く。完全に意気投合している様子だ。

高橋少年が怒鳴り声になりながら言う。

「なんなんだよ!おまえら!いったいなんだっつーんだよ!なんでそいつらなんかと遊んでんだよ!!」 

場が静まり返る。

鈴木君が言う。

「なんとなく」 


高橋少年は猛ダッシュで自分のマンションに戻り、ドアを開けるなり母親に、 

「お母さん!!包丁貸して!!あいつら殺さなきゃいけないんだ!!!!!」


それから何日かの間も、友達たちはそいつらと遊んでいた。

高橋少年はそのあいだ1人で行動していたが、ある日突然、その2人が姿を見せなくなった。

高橋少年も、「何故笑ってたのか」と友達に聞きたかったが、 

なんだか、聞いちゃいけないような気がして、それ以降忘れようとした。