941 本当にあった怖い名無し sage New! 2012/06/13(水) 12:15:39.05 ID:vtfQqwxD0
小学生の頃、よく遊んでいた友達にAという奴がいた。
Aは俺の1歳年下で、少し気弱な奴だったが、ゲームが上手く、よく笑うかわいいやつだった。
だが中学に上がると悪い奴らとつるむようになり、俺は話すこともなくなってしまった。

ある日、夜中にコンビニへ行く途中にAの家の前を通ると、Aの親父さんが頭から血を流して「いてぇ・・いてぇ・・」とつぶやいていた。
Aの家へは遊びに行ったこともあり、Aの親父さんとも顔見知りだった。
「大丈夫ですか?」と声をかけると、親父さんは俺に手招きをして、裏庭の方へ歩いて行った。
俺も後を追い裏庭へいくと親父さんはいなくなっていた。

家の中はカーテンが閉まっており、明かりがなく暗いが窓が少し開いていたので、家の中に入ったのかな?と思いしばらく待っていたが、親父さんは出てこない。
窓を開け「おじさ~ん」と小さく声をかけてみたが応答はなかった。
どうしたんだろ?と思い中へ入ると真っ暗で少し変なニオイがして、暗くてよく見えなかったが、部屋の隅で誰かが寝てるような感じがした。
なんだか少し怖くなり、「おじさ~ん!」と大きな声をかけると、すごい勢いでAが2階から降りてきた。

942 本当にあった怖い名無し sage New! 2012/06/13(水) 12:18:02.43 ID:vtfQqwxD0
Aは俺を見つけると、「てめぇ、ふざけんじゃねぇぞ!!どうやって入ってきやがった?!」とものすごい剣幕でまくし立ててきた。
親父さんのことを話すと、ブルブル震えだした。
「て、てめぇ・・・ふ、ふざけんじゃねぇぞ!!見たのか?オイ!!見たのかよ!?」
俺の襟首を掴む手は尋常じゃないくらい震え、息は荒く、目が明らかにおかしかった。

俺はAが何を言っているのか全くわからず、もう一度、家の前で親父さんが血を流していたこと、その親父さんに家へ招かれたことを話した。
俺の態度から俺が嘘を言っていないと判断したのか、Aは俺の襟首から手をはなした。
「・・・もういいよ。出てけよ。親父の話は誰にも話すなよ。話したらマジで殺すからな。」
そう言われて俺はAの家を出た。

何がなんだか訳がわからなかったが、変わってしまったAの自分に対する態度がとても悲しかった。
それから数日後、AとAの友達のBが逮捕された。
罪状はAの親父さんの殺害。

943 本当にあった怖い名無し sage New! 2012/06/13(水) 12:21:11.72 ID:vtfQqwxD0
AとBは1階の居間でAの親父さんをバット等で撲殺したという。
俺は驚いたが、もっと驚いたことがあった。
それは犯行日が俺がAの家へ行った日の前日だったということだ。
あの日、親父さんはすでに殺されていたのだ。

親父さんの姿を見たのは俺だけではなかった。
近所の人も犯行日後に家の前で親父さんの姿を見かけており、警察にもそのことを話したらしい。
あの日、部屋の隅で寝かされていたのは親父さんの死体だったのだろう。
もし俺がそれに気がついていたら、Aは俺をどうしていただろうか・・・。

犯行の動機は親父さんの暴力に耐えかねてということだった。
だが、本当の理由はそうではない。
ひと月ほど経ってからAとBの友達と話す機会があり、そこで真相を聞くことができた。

944 本当にあった怖い名無し sage New! 2012/06/13(水) 12:25:58.68 ID:vtfQqwxD0
AとBが親父さんを殺害した本当の理由・・・・・それは親父さんがAの彼女をレイプしたからだという。
中学生の息子の彼女をレイプする。
俺にはちょっと想像ができない。

新聞にはこのことは書かれていなかったが、AとBが彼女を気遣って言わなかったのか、警察が発表しなかったのか・・・。
当時はこの事件に関わる全てが恐ろしかったが、いま思い出すと全てが悲しい。
Aは今どうしているだろうか・・・