606 えび New! 2014/01/16(木) 04:47:59.21 ID:lan8m6/KO
「夏休みの学校にて」

これは私が小学生の時に実際に起きた話。
私の母親は小学校の教師をしていて、よ
く姉と私〔弟〕を勤務先の学校に連れて
いった。〔無論平時の時ではなく夏休み
とか長期休暇の時だけである。〕

その理由は3つあって、一つは父親が自
宅で働いているため、ガキがいると集中
出来ないから。二つは母の有給があまり
残っていない為に、夏休みでも母は学校
にいかなくてはならなかったから。そし
て3つ目は、母の有給休暇を減らした最
たる要因 である病弱な姉の側に、少し
でもいてあげるためだった。

607 えび New! 2014/01/16(木) 04:50:41.33 ID:lan8m6/KO
姉は生まれもった難病を抱えた上に、筆
舌し難い不幸、災難に恵まれた人であり
且つ霊山の大僧正クラスの人から跡継ぎ
をオファーされるくらいの霊感を持ち合
わせた人でもあった。〔因みに姉の病気
は最近完治した。オファーは未だに止ま
るどころか激しくなっているという…後
結構有名な霊山らしいので詳しく書けな
いことは勘弁してください。〕

彼女に纏わる話を一つあげてみる。

608 えび New! 2014/01/16(木) 04:53:07.81 ID:lan8m6/KO
私が小三の時。久し振りにお盆に母方
の墓参りをした時ののことだ。場所は
東京。早め茹だるような暑さの中、私
達家族四人は駐車場に車を止めた後、
母が寺の住職から線香を貰う間に父と
姉と私の三人で生前叔父が好きだった
カンコーヒを買いにいった。

609 えび New! 2014/01/16(木) 04:58:50.35 ID:lan8m6/KO
先行する父の後を、私はよちよちとつ
いていった。だが、ふと振り帰ってみ
るといるはずの姉の姿がない。父も直
ぐにいないことに気付き、二人で寺の
方に戻ると、姉がじっと墓の方を向い
ていた。父が声を掛けると、ゆっくり
こちらを振り向き、気持ち悪くなった
時の顔でトボトボとこっちに歩いてきた。姉の顔を見て直ぐ様父は「車の中で待
ってるか?」と言ったが、姉は首を横に
振るばかりでずっと黙っている。

610 えび New! 2014/01/16(木) 05:04:58.14 ID:lan8m6/KO
そして、
カンコーヒを買って母と合流し、墓石
に掛ける水と用意し、花束を持って墓
のある区域に入る時だった。

姉が急に泣き出したのである。そして
急にしゃがみこんだかと思うと、両手
を頭につけてブンブン振り回し始めた
ものだから、異常事態になれっこの両
親も流石に慌てていた。私は何が起き
たのか解らず、姉の変貌振りにただ呆
然としていた。

611 えび New! 2014/01/16(木) 05:13:55.17 ID:lan8m6/KO
姉は直ぐ様父に抱っこされて車に連行。
その間母は 寺の住職を呼びに行った。
祖母へ無償で仏壇を贈ってくれるくら
い懇意のある寺だったことも幸いして
直ぐ様住職は駆けつけてくれた。

以前にも姉がおかしくなった時があったが〔その時は霊に憑かれていたとかなんとかだったらしい…詳しくは教えてくれなかった〕その時より事態は深刻に見えた。
613 えび New! 2014/01/16(木) 12:30:30.50 ID:lan8m6/KO
車の中は異様だった。ただひたすら泣
きじゃくる姉、の背中を擦りながらひ
たすら何かを唱える住職、の隣で震え
る姉の手を両手で握る母、それを運転
席から身を乗り出して真剣な表情でみ
つめている父。
後部座席のドアが開けっ放しなことも
あってか、クーラーを全開にしても車
内のいやな熱気が中々落ちないのを今
でも身体が鮮明に覚えている。

そして、しだいに姉の発作?は収まっ
てきて、口が聞けるまでになってきた。
母の問いかけに少しずつ姉が何かを答
え始めた。

614 えび New! 2014/01/16(木) 12:37:23.26 ID:lan8m6/KO
それによると、墓の中がびっちり霊魂
でぎゅうぎゅう詰めになっており、そ
れらがそれぞれ墓を仕切っている柵を
乗り越えて姉がいる方に向かってぐち
ゃぐちゃ蠢いてきたのが見えてしまっ
たのだという。

しかもうごめき始めたのが、姉が墓の
前に近づいた途端〔つまり缶こーひの
時点では霊魂は普通の状態だった〕ら
しい。

615 本当にあった怖い名無し New! 2014/01/16(木) 12:49:48.14 ID:lan8m6/KO
因みに姉は霊が見えるといっても実際
見える派〔江原さんみたいな〕ではな
く、そこにいるのが分かる派である。
だから、姉曰く「沢山の人が墓の中か
ら襲ってきたいた」というイメージで
はなく「墓の中に見えない空気塊みた
いなねがウジャウジャいて、それが柵
を越えて迫りくる」イメージの方が正
確らしい。

616 本当にあった怖い名無し New! 2014/01/16(木) 12:56:38.98 ID:lan8m6/KO
↑×きたいた ○きた

ここまでの話を纏めると…
墓を囲う柵の内側から出ようとはみ出
んばかりの数の見えない霊魂〔住職に
よるとお盆だから一杯いた〕が一度に
姉〔姉は当時小四〕へ迫ってきた、と
いうことになる。

そりゃ泣き出しますよね…

住職によると姉は憑かれてはいないようで、ただおびたただしい数の霊魂をみて驚いただけだろうということだった。

それ以来姉は暫く墓参りを自粛した。
〔今は平気です。〕

617 えび New! 2014/01/16(木) 13:03:34.06 ID:lan8m6/KO
学校の方に戻ろう。
ある夏休みの日、私が職員室でお菓子
を食べている間、姉はだれもいない校
舎の中を探検していた。

他の学校を見るなんてことは普段ないので、好奇心の強かった姉にとって学校探検はうってつけの遊びだったのだ。

それに夏休みは春休みと違ってクラス移動する先生とかが教室にいなく、扇風機のある職員室に籠っているから色々自由にできたのもある。

618 えび New! 2014/01/16(木) 13:11:09.72 ID:lan8m6/KO
だれもいない教室、廊下、トイレ…図
書室、や理科室などの特別教室は窓か
ら覗くように観察して一つ一つ回った
そうである。
そして三階の一番端にある最後の教室
を見終わった姉は職員室に戻ろうと西
階段を三階から二階にかけて降りていた。

619 えび New! 2014/01/16(木) 13:15:01.10 ID:lan8m6/KO
と、鏡が2つついた踊り場を一回曲が
り、二階に着く段の中腹を降りている
時だった。何を思ったのか、いや誰か
の気配を感じたのか振り替えると、三
階から誰かが降りてくる影が見えたの
だという。姉はこの学校の先生だと思
い「」ったり会いたくない」ので足音
を立てないようにそろそろと一階に降
りようとしたのだけれども…全然足音
が聞こえて来ない。

620 えび New! 2014/01/16(木) 13:21:03.82 ID:lan8m6/KO
不振に思った姉はちょっと階段を登って確認したら、まだ影はちゃんとそこにあって順調に階段をおりているという。音をたてずに。

姉が呆けていた次の瞬間だった。影が凄まじい勢いで階段を降りてきたのだ。踊り場の壁を黒い線が一瞬で通りすぎ、姉がいる階段へ壁を伝って迫ってくる。

621 えび New! 2014/01/16(木) 13:25:21.08 ID:lan8m6/KO
姉は反射的に体を動かして階段をかけ
降りた。降りた。降りて降りて、母の
いる職員室に向かおうとした。後ろを
振り返らず、ただ真っ直ぐ階段をかけ
降りた。そして一階に着き廊下を走っ
た時だった。後ろから

『廊下を走るな』

鋭い怒声が、誰もいない廊下を響きを使って木霊させるような声が、男の声が、姉を背後から襲った。

622 えび New! 2014/01/16(木) 13:31:51.67 ID:lan8m6/KO
以後、後日談
母の話で分かったことだが、そこは「曰
く付き」のガッコとして有名なんだそう
だ。〔学校の中に郷土資料が展示してあ
るブースがあり、隣には神社がある〕
以前、そのガッコの校庭で創立記念の航
空写真を撮ったら生徒の手だけ消えてい
たことがあったらしい。〔母は実際みた〕影の正体は姉曰くこの学校に登校してい
た少年。声の主はまあ教師じゃないかと。笑って言っていました。

そんな話。

規制くらって一度に投稿出来んかったこ
とをご容赦下さい。