45 本当にあった怖い名無し sage 2006/05/29(月) 02:35:24 ID:m3PuGO2s0
私は一人海岸の波打ち際で膝を抱え、穏やかな海を眺めていた。
海岸には親子連れやカップルの姿がチラホラと居るだけ。
時間は・・・正午を少し過ぎた位だろうか、太陽が一番高い所で輝いている。

キャッキャと赤ん坊の笑い声が聞こえる。
振り向くと、1歳位の赤ん坊と母親らしき女性が私の近くで遊んでいる。
特に気にも留めずに、視線を海に戻す。
ハッと気付くと、地平線の向こうから大きな波が迫っている!
私は逃げる間も無く大波に飲み込まれた。

必死にもがいて海面に顔を出すと、10メートル位先の海上に人間の頭らしき物体がプカプカと浮かんでいる。
さっきの赤ん坊かも知れない・・・と、犬かき(私は泳ぎが得意じゃない)で泳いで助けに行った。
あと1メートルで赤ん坊に手が届く!

その瞬間大波に飲み込まれ、私は意識を失った。
あと少しで手が届きそうだったのに・・・OTZ

気が付くと海岸の波打ち際に流れ着いていた。
私は赤ん坊を助けられなかった切なさから涙を流していると、目の前にはあの赤ん坊の母親らしき女性が佇んでいる。

「ごめんなさい・・・赤ちゃん・・・助けられなかった・・・。」
と声をかけると、虚ろな目の母親がうわ言のように呟いている。
「いいのよ・・・いいのよ・・・貴方のせいじゃないから・・・いいのよ・・・いいのよ・・・。」
その台詞とは裏腹に、冷たいような・・・責めているような口調だった。
ふいに母親が何処かに向かって歩き出した。
ショックで自殺とかしたら嫌だなぁと思い、後を付いて行く事にした。

砂浜の向こうに研究所(?)のような真っ白の建物が見える。
母親はその建物に向かってふらふらと歩いて行く。

46 本当にあった怖い名無し sage 2006/05/29(月) 02:36:08 ID:m3PuGO2s0
研究所(?)に着くと、受付に居た女性が「乳幼児の検索は○番~○○番(聞き取れず)のパソコンをお使い下さい」と言った。
母親らしき女性は力無く頷くと、指定されたパソコンの前に座った。
パソコンを起動すると、検索エンジンのような画面が出てきた。
母親らしき女性が赤ん坊の誕生日と思しき番号を打ち込む。

検索ボタンを押す。

パソコンの画面には打ち込まれた日に生まれた子供の名前がリスト状に並んでいる。
母親が一番上の名前をクリックする。

画面がフルスクリーンに切り替わった。
そこにはベビーベットに寝かされている赤ん坊が映し出されている。
赤ん坊はすやすやと気持ち良さそうに眠っている。

(赤ん坊には一人一台監視カメラが付いているの?そんな事初めて知ったよ・・・)

母親らしき女性はガックリと肩を落とすと、フルスクリーンの画面を閉じた。
リストに戻ると下に向かってスクロールバーを動かした。

47 本当にあった怖い名無し sage 2006/05/29(月) 02:38:28 ID:m3PuGO2s0
一人の赤ん坊の名前が・・・名前の背景が灰色・・・!
他の赤ん坊の名前とは明らかに表示が違う。
膝がガクガク震える。

まさか・・・まさか・・・まさか・・・!

そこから先はスローモーションの世界。
母親がゆっくりとその名前をクリックする。
フルスクリーンの画面が表示される。

真っ暗だ、何も見えない。

目を凝らすと、気泡のようなモノがプクプクと映っている。
深海?光も届かないような真っ暗な海の底か?!

スクロールバーが下に伸びている。
母親らしき女性が思いっきりスクロールバーを下まで動かした。


暗い暗い海の底に海草が揺らめいている。
海底の岩陰に・・・赤ん坊のような影がうつ伏せに倒れている。


母親が「私の・・・赤ちゃん・・・」と涙を流しながら呟いた。
私は絶叫してその場に崩れ落ちた・・・。



そこで目が覚めた。
文才無いからあんまり怖さが伝わらないと思うけど、洒落にならない程怖かった夢。
読み辛くてすまん(´・ω・`)